確定申告は忘れずに
海外FXは、海外の業者だから納税は必要ないのでしょうか?
答えは「No」で、海外FXで儲けが出た場合、確定申告が必要になります。
今回はFX初心者の方に向けて、確定申告についてのノウハウをご紹介します。
そもそも確定申告とは?
年明けの頃からネット上でも囁かれるのが「そろそろマジメに確定申告しないと、ヤバイよね」という声です。
確定申告とは、どのような申告を指すのでしょうか。
確定申告とは「昨年このくらいの収入があったので、税金はこれだけ納めます」と国に報告する一連の作業のこと。
原則として収入があった年の翌年2月16日~3月15日の間におこなう決まりになっています。
確定申告しないとどうなるの?
一般的に会社に勤めているサラリーマンであれば、会社が代わりに確定申告の手続きをおこなってくれます。
そのため、ずっと会社勤めだった人は、確定申告を自分でしたことがない人がほとんどではないでしょうか。
一方、フリーランスや副業をしている人、不動産の所得があった人、山林所得や配当所得があった人などは、必ず確定申告をおこなう決まりになっています。
万が一、確定申告をせずにスルーしてしまうと、納めるべき税金を納めなかったということになり追徴課税が発生することもあります。
延滞税や加算税など、本来支払う必要のない税金まで支払わなければならなくなります。
「申告しなければ納税しなくても良いだろう」と思うのは大きな誤りで、最近はマイナンバーの導入も進んでいるため「誰がどのように税金を納めているのか」一目瞭然になってきています。
どのくらいFXで稼ぎを得たのかは、国税庁も常にマークを利かせて監視しています。
後で困った事態にならないためにも、まずは確定申告の知識を深めていくことが大切になります。
見過ごせない追徴課税の額
ニュースをよく見ている方も多いかもしれませんが、最近では仮想通貨の取引に対する監視も強化されていて、悪質な納税者が検挙される事例も増えてきています。
最悪の場合は逮捕されてしまうケースもあり、「たかが確定申告…」と浅い見方をしていると恐怖のどん底に落とされることもあります。
また、確定申告をしなかった場合、課せられる追徴課税の額はかなりの金額にのぼっています。
普通に確定申告して納税した場合に比べて、重すぎるペナルティが加算されるので注意しましょう。
確定申告に必要な書類を揃えておこう
事前に用意しておく書類
確定申告に必要な書類について、チェックしていきましょう。
確定申告を適切におこなうためには、次のような書類を用意しておくとスマートにまとまりやすくなります。
- 源泉徴収票
- 年間取引報告書(年間損益報告書)
- 経費領収書
- 各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除)
確定申告をおこなうときには、前年度の収入が分かるものを用意しておきましょう。
1.源泉徴収票
「源泉徴収票」は、給料所得者であれば会社から支給されます。
2.年間取引報告書(年間損益報告書)
「年間取引報告書(年間損益報告書)」は、FXで「いくら儲けたのか、損を被ったのか」知るための書類になります。
マイページやプラットフォームからダウンロードすることができます。
よく分からない場合はサポートデスクに問い合わせをして、きちんと用意できるようにしましょう。
また、このとき必要になるのは「前年度1年分」の取引の記録になります。
直近の書類を提出してしまうと、税の計算が大幅に変わってくるので気を付けておきましょう。
3.経費領収書
確定申告では、「かかった費用」を経費として申告することで、収入から差し引くことができます。
海外FXの場合、経費となるものの一例です。
- インターネットの通信費
- パソコンやスマホ代
- 海外送金の額
- FX関連の書籍代
- 投資系のセミナー代
ネットの通信費や海外の銀行への送金、場合によってはスマホやパソコンの代金も考慮されるケースもあります。
スマホやパソコンの場合は、FXで利用する割合分だけを経費として申告することができます。
一例以外にも、経費として認められる可能性のあるものもあります。
ただプライベートの要素があまりにも強い場合は、必要経費として認められないので注意しましょう。
ちなみに、経費として申告するには、領収証を残してあるというのが大前提となります。
いちいち領収証の提出を求められることは少ないようですが、それでもざっくりした数字を書き過ぎてしまうと、税務署から指摘が入ります。
確定申告が終わったあと、税務署がすべての用紙をチェックする時期に入ります。
この作業はその年の6月から7月くらいまで続き、書類に不備があった場合には国税庁から問い合わせがあることもあるようです。
不備があった書類について再提出を求められることも考えられるので、確定申告が終わった後も領収証や予備の書類は残しておくようにしましょう。
XMの確定申告の手順
それでは、XMのユーザーが確定申告する方法について具体的に見ていきましょう。
「年間取引報告書(年間損益報告書)」をダウンロード
確定申告で必要な書類「年間取引報告書(年間損益報告書)」を準備します。
XMの場合、まずはプラットフォームMT4/MT5にログインし、「口座履歴」のタブをクリックします。
「口座履歴」枠内を右クリックすると、3カ月や1カ月の下に「期間のカスタム設定」という文字が表示されるのでクリック。
開始と終了の期間が選べるボックスが出てくるので、必要な期間(前年度1年間)を入れてOKボタンを押します。
たとえば、2023年度に確定申告をおこなう場合は、前年度の2022.01.01から2022.12.31を入力すれば、前年度1年間の収支がチェックできるようになります。
OKボタンを押すと、ずらっとリスト形式で1年分の取引の様子が表れます。
右クリックを押して保存をおこなえば、取引のデータを保存できます。
確定申告時に必要になってくるのが、このリストの一番下にある「Closed Trade P/L」と書かれた行の数字になります。
ここに表示された額が、1年間の収支の合計になります。
ちなみに、1年間の収支の合計によって確定申告が必要か必要ではないか決まります。
給料所得がある(会社員など)場合は、20万円以上で確定申告の必要があります。
給料所得がない方(専業主婦、フリーターなど)の場合は、48万円を超えると確定申告の対象者になります。
国税庁のサイトで確定申告する
「年間取引報告書(年間損益報告書)」を含め、先述した必要書類が揃ったら、確定申告をしていきます。
国税庁の公式ホームページ「確定申告書等作成コーナー」から、サイト上で書類の手続きをおこなっていくのが圧倒的に簡単です。
以前は紙をわざわざ最寄りの税務署に取りに行って、手書きで必要事項を記入し、郵送していました。
現在は、ネット上で入力後にデータを送信するだけで完了します。
電子送信に抵抗がある方は、ネット上で書類を作成してプリントアウトしたものを税務署に送付するやり方も簡単でおすすめです。
入力手順を画像付きで紹介
基本事項の入力
「確定申告書等作成コーナー」へ移動します。
初めて確定申告する人は「作成開始」ボタンをクリック。
提出方法を選択するページになるので、自分に適した方法を選択します。
次に、利用するパソコン環境の確認を行うページになるので、問題ないかの確認と利用規約の同意をおこないます。
すると上の画面のページになるので、申告したい年度の「所得税」をクリック。
「次に進む」をクリックします。
提出方法の選択、生年月日を入力、申告に関する質問に回答していきます。
ここまでで準備は完了したので、次から所得金額を入力していきます。
所得額の入力
給料所得者であれば、まず「給与所得」の欄に「源泉徴収票」に記載された収入額を入力します。
XMで得た利益は、「雑所得」の「その他」項目に入れていきます。
具体的には、以下のように入力します。
- 種目:「その他」を選択し、「証拠金取引」と入力
- 業務に該当しますか:「いいえ」を選択
- 収入金額:年間取引報告書の「Closed Trade P/L」部分に記載された金額
- 必要経費:かかった経費
- 源泉徴収税額:未記入でOK
- 所得の生ずる場所:Eden Island,Seychelles
- 報酬などの支払者の氏名・名称:Tradexfin Limited.
FXにかかった経費は必要経費として申請できるので、忘れずに記載をおこないましょう。
税務署に提出
入力が終われば、電子送信であればそのままデータを送信すればOK。
最初に「印刷して提出」を選んでいる場合は、「帳票表示・印刷ボタン」をクリックすると確定申告書がPDFでダウンロードされるので、PDFを印刷して税務署に郵送しましょう。