確定申告は忘れずに
FX取引などで儲けが出てくるようになると、やはり気になるのが納税についての作業となります。今回はFX初心者の方に向けて、確定申告についてのノウハウをご紹介します。
そもそも確定申告とは?
年明けの頃からネット上でも囁かれるのが「そろそろマジメに確定申告しないと、ヤバイよね」という声です。確定申告とはどのような申告を指すのでしょうか。
確定申告とは「昨年このくらいの収入があったので、税金はこれだけ納めます」という決意表明のようなもの。
確定申告は収入があった年の翌年におこなう決まりになっていて、前年度の収入を翌年の2月中旬から3月中旬に申告する決まりになっています。
2019年度の場合では、2月18日から3月15日までが申告日になっていたので、この期日を参考にしておくと良いかもしれません。
確定申告しないとどうなるの?
一般的に会社に勤めているサラリーマンであれば、会社が代わりに確定申告の手続きをおこなってくれます。
そのためずっと会社勤めだった人は「確定申告なんて、ここ10年とんとしていない」と感じるはずです。
確定申告は、不動産やFXの所得があった人・山林所得や配当所得があった人が、必ずおこなう決まりになっています。
万が一確定申告をせずにスルーしてしまうと、納めるべき税金を納めなかったということになり追徴課税が発生することもあります。延滞税や加算税など、本来支払う必要のない税金を支払わなければならなくなります。
「申告しなければ納税しなくても良いだろう」と思うのは勝手な誤りで、最近はマイナンバーの導入も進んでいるため「誰がどのように税金を納めているのか」一目瞭然になってきています。
どのくらいFXで稼ぎを得たのかは、国税庁も常にマークを利かせて監視しています。後で困った事態にならないためにも、まずは確定申告の知識を深めていくことが大切になります。
見過ごせない追徴課税の額
ニュースをよく見ている方も多いかもしれませんが、最近では仮想通貨の取引に対する監視も強化されていて、悪質な納税者が検挙される事例も増えてきています。
最悪の場合は逮捕されてしまうケースもあり、「たかが確定申告…」と浅い見方をしていると恐怖のどん底に落とされることもあります。
また、確定申告をしない場合に納めなくてはならない追徴課税の額は、かなりの金額にのぼっています。普通に確定申告して納税した場合に比べて、重すぎるペナルティが加算されるので覚えておいた方が良さそうです。
確定申告に必要な書類を揃えておこう
事前に用意しておく書類
確定申告に必要な書類について、チェックしていきましょう。
確定申告を適切におこなうためには、次のような書類を用意しておくとスマートにまとまりやすくなります。
- 源泉徴収票
- 確定申告の用紙
- 領収証
- 取引の報告書
確定申告をおこなうときには、前年度の収入が分かるものを用意しておきましょう。
源泉徴収票は、会社から支給されるケースが多いようです。加えてFXの損失状態が把握できる用紙が必要になります。これを元に国税庁の公式サイトに記載してある、確定申告の用紙に記入をおこなっていきます。
取引の報告書はFXでいくら儲けたのか、損を被ったのか知るための書類になります。よく分からない場合はFXのサポートデスクに問い合わせをおこなうか、担当の証券会社に尋ねてみるのがおすすめです。
また、このときの用紙は「前年度1年分」の取引になります。直近の書類を提出してしまうと、税の計算が大幅に変わってくるので気を付けておきましょう。
- インターネットの通信費
- パソコンやスマホ代
- 海外送金の額
- FX関連の書籍代
- 投資系のセミナー代
確定申告と聞くと、どのくらい儲けたのかプラスの側面ばかり強調されることもあります。けれどもその辺りは税務署も考慮してくれていて「どのくらいの費用がかかったのか」事情を鑑みてくれます。
ネットの通信費や海外の銀行への送金、場合によってはスマホやパソコンの代金も考慮されるケースもあります。
これらは経費の一部とみなされるので、必要経費として申告しておくのがおすすめです。
ただプライベートの要素があまりにも強い場合は、必要経費として認められないこともあります。
領収証は取っておこう
確定申告をおこなうときに、どれを必要経費として申告すれば良いのか戸惑うこともあります。
事務用品やセミナーの代金なども請求できますが、領収証を残してあるというのが大前提。
いちいち領収証の提出を求められることは少ないようですが、それでもざっくりした数字を書き過ぎてしまうと、税務署から指摘が入ります。
確定申告が終わったあと、税務署がすべての用紙をチェックする時期に入ります。
この作業はその年の6月から7月くらいまで続き、書類に不備があった場合には国税庁から問い合わせがあることもあるようです。不備があった書類について再提出を求められることも考えられるので、確定申告が終わった後も領収証や予備の書類は残しておくようにしましょう。
XMの確定申告の手順
大まかに確定申告の手続きについて分かったところで、XMの確定申告の方法について見ていきましょう。
取引の額をチェックしよう
XMの確定申告をおこなう場合、まずはプラットフォームのMT4を稼働させてあげます。
取引と運用比率の隣にある、口座履歴をクリックします。この欄を開くと、3カ月や1カ月の下に期間のカスタム設定という文字が出てきます。こちらを開くと、開始の期間が選べるボックスが出てくるので「前年度1年間分」を入れてOKボタンを押します。
たとえば2020年度に確定申告をおこなう場合は、前年度の2019.01.01から2019.12.31を入力すれば、前年度1年間の収支がチェックできるようになります。
OKボタンを押すと、ずらっとリスト形式で1年分の取引の様子が表れます。右クリックを押して保存をおこなえば、取引のデータを保存できます。
こちらの用紙は確定申告時に必要になってくるので、保存後忘れないうちに印刷をしておきましょう。データは保存しておけば、コンビニなどでもプリントアウトできます。
また注意したいのが、このリストの一番右下にある数字になります。こちらの額が、1年間の収支の合計になります。
サラリーマンの場合は20万円以上の額なら確定申告の必要があります。無職の方の場合は38万円を超えると、確定申告の対象者になります。
あとは国税庁のサイトで手続きするだけ
XMの取引額を無事にダウンロードできたら、今度は国税庁の公式ホームページに移りサイト上で書類の手続きをおこなっていきます。
以前は紙をわざわざ最寄りの税務署に取りに行っていたようですが、最近では用紙はネット上にアップされていて、イータックスを使えばネット上でデータを送信して確定申告もおこなうことができます。
ただイータックスを使う場合には専用の機械を持っている必要があり少々面倒なので、ネット上で書類を作成してプリントアウトしたものを税務署に送付するやり方が簡単でおすすめです。
所得税を入力していく
公式サイトには青色申告か白色申告か求められます。
青色申告は事前に申告書の提出が必須のため、手続きを取っていない人は白色申告を選びます。
続いて所得税を選択して、画面に沿って入力をおこなっていきます。
サラリーマンの場合は「給与所得」を選び、源泉徴収票の収入を入力します。
またFXで得た収入は「雑所得」の「その他」項目に入れていきます。
所得は先ほど取得したFXの取引データを見ながら数字を入れていきます。FXにかかった経費は必要経費として申請できるので、忘れずに記載をおこなっておきましょう。
最後に入力した書類をプリントアウトして、所定の期日までに税務署に送れば完成になります。